神社に興味を持っている人は、ネットで色々検索していると先ほどのような情報を見たことはありませんか?
「稲荷神社は一度参拝したら一生信仰しないといけない。信仰を怠ったら祟る」
この情報を目にするたびに、私は声を大にして言いたい。
古くから信仰されてきたお稲荷さんが、そんなホイホイ祟るわけないだろ!!!!!
神社関連に詳しい人でも、たま~に、ホントたま~~~~に「稲荷信仰は危険」とかいう情報を発信していることもあるんで、それを見た時は本当にはらわたが煮えくり返る感じでしたよ…。
ただ、稲荷神社に惹かれるものがあるので、こういう情報を聞くと怒りを覚えるんや
そもそもお稲荷さんってどういう神様?

お稲荷さんは、ウカノミタマ(以下:ウカノさま)という名前の神様のことです。
元々は食物…特に稲の神様で、最初は「稲の恵みをありがとうございます」という感じの信仰だったんですよ。
だけど時代が進むにつれて、生活に関することや、商売繁盛といったご利益も授けてくれるという信仰が出てきて、最終的に何でもアリな神様になってしまいました。
そもそも稲は日本人にとって身近な物。
その稲の神様であるウカノさまは、稲作を営む庶民にとってはとても身近な神様だったんですね。
色々と「ありがたや~ありがたや~」ってしているうちに、気が付いたら稲作以外にも生活・商売繁盛と、元々受け持ってたジャンル以外のことも担当する神様として信仰されるようになっちゃったんです。
万能感ありすぎて、多分神様の中でも多忙な神様とちゃうんかな…
で、庶民にとって超身近なウカノさまは、口コミでご利益の良さが広まって全国的に広く祀られるようになりました。
ちなみにキツネは神の使い

稲荷神社にはキツネがいますよね。
稲荷神=キツネって思ってる人も多いのではないでしょうか。
ちなみに私も昔はそう思ってました。
キツネはウカノさまのお使いの動物で、神様というわけではないんです。
どうしてキツネがお使いになってるのかというと、諸説ありますが稲作の害になるネズミを食べてくれることが由来だと考えられています。
大事な食物になる稲を荒すネズミ。
そのネズミをキツネが食べてくれる。
つまり、キツネは稲の神様(ウカノさま)のお使いなんだ!!!
こういう風に昔の人は思ったわけですね。
だから、稲荷神社にはキツネの像(狛狐)がいます。
ただ、いつしか「キツネ=稲荷神」という考えが出たのか、「キツネは特別なお使い感」という考えが出たのか…。
ここらへん勉強不足でよく分かってないのですが、「眷属神(けんぞくしん)」という敬称で祀られていることがあります。
お稲荷さんは祟りを起こさない

「お稲荷さんは一度参拝すれば一生拝まないと祟りを起こす」
コホン…失礼しました。
私の経験談を1つお話しましょう。
高野山に、「清高稲荷大明神」という稲荷神社があるんですよ。

ひっそりと鳥居が連続してあるので、冒険心が掻き立てられる所です。
鳥居を抜けた先は、社務所も見当たらなくて、正直言うとポツンと寂しい小さな神社です。

数年前、私はそこに1回だけ参拝しました。
特にお願い事はしてません。
神社に訪れた縁を感謝するだけにしました。
大事なことなのでもう1回だけ言います。
私はその神社に1回だけしか参拝してないです。
でも祟られてません。
他にも1回だけしか参拝していない稲荷神社はありますが、それでも祟られたことなんてありません。
最初にもお話したように、ウカノさまは庶民にとってすごく身近な存在で、本来のジャンルからいろんなジャンルのご利益を広げた優しい神様です。
そんな神様が、簡単に人を祟るでしょうか?
私はそうは思いません。
一生拝まないと祟る?
一度だけの参拝はダメ?
そんなわけあるかい!!!ってめちゃくちゃツッコミたいです。
祟りは大体人間のせい
優しい神様でも、怒ると怖いです。
それが祟りです。
稲荷神でなくても、祟りを起こす神様はいます。
でも、あくまでも私の持論ですが、神様が祟りを起こすのは大体人間が悪いです。
私が知ってる祟りの話の多くは、「神様を粗末に扱った」という理由です。
人間だって、粗末に扱われると腹が立ちますよね?
神様だって同じです。
粗末に扱われると腹が立って「コノヤロー!!」って罰を当てたくなるのかもしれません。
神様にお願いごとをする場合、「お金持ちになりたい」「恋人がほしい」とかそういう欲に関したものが圧倒的に多いんじゃないかと思います。
中には「あいつが不幸になりますように」といった、怖い欲からくる願い事をする人もいるんじゃないでしょうか…。
そういう「私が幸せになる!」「私が幸せになる!」という、感謝や信仰心も何もない利己的なお願いばかりされると、あなたはどう思いますか?
神道における神様は、敬って丁寧に祀られて、その対価に恵みをもたらしてくれると私は考えています。
信じる気持ち、神様を敬う気持ちが大切なんです。
「祟る」まではいかなくても、信仰心や敬う心の無い私利私欲のための願いのせいで、回りまわって嫌な形で自分に返ってきてるのかもしれません。
まとめ
お稲荷さまは1度参拝すれば一生拝まないといけない。
信仰を怠ると祟る。
そういうのは真っ赤な嘘です!信じないでください!!
「お稲荷さま」で親しまれているウカノミタマという神様は、古くから庶民の信仰を受けて、元々稲作の神様だったのが色んなご利益を授けるようになった優しい神様です。
ただ、お稲荷さまや他の神様もそうですが、信仰心や敬う気持ちも無く私利私欲の願い事ばかりしたり、粗末に扱ったりすると、怒って罰を当ててくることはあると思います。
それは人間の怠慢や欲望によるもののせいだと私は考えています。
お稲荷さまだけでなく、神社の神様と向き合う時は、敬いの気持ちを持っておきたいですね。
それでは、ここまで読んでくださりありがとうございました!
<参考にした本>
日本の神様をあまり知らない人向けの本なので、とてもオススメやで!
<参考になるおすすめサイト様>

